健康食品、サプリメント、民間療法、補完療法、代替療法に対する考え方 

 健康食品やサプリメントなどを含む、統合医療、相補(補完)・代替療法は一般的な近代西洋医学と組み合わせることが重要です。適切な治療で完全に治る病気も、治療の時期を逸すれば治らなくなります。相補(補完)・代替療法のメリットとデメリットを十分に理解して、利用するかしないかを冷静に判断しましょう。

 相補(補完)・代替療法とは、「一般的に従来の通常医療と見なされていない、さまざまな医学・ヘルスケアシステム、施術、生成物質など」と定義され、具体的には、以下のような分類をしています(米国国立補完統合衛生センター、2017/3/16現在)。

  • 天然物(Natural Products):ハーブ(ボタニカル)、ビタミン・ミネラル、プロバイオティクスなど
  • 心身療法(Mind and Body Practices):ヨガ、カイロプラクティック、整骨療法、瞑想、マッサージ療法、鍼灸、リラクゼーション、太極拳、気功、ヒーリングタッチ、催眠療法、運動療法など
  • そのほかの補完療法(Other Complementary Health Approaches):心霊治療家、アーユルヴェーダ医学、伝統的中国医学、ホメオパシー、自然療法など

 相補(補完)・代替療法は、副作用がなく体に優しいというイメージをお持ちの方も多いかと思います。しかし、天然物質、食品や食物だからといって、それは、安全であることを意味していません。「医薬品=副作用を有する危険なもの、健康食品=食べ物だから副作用がなく、どれだけ摂取しても大丈夫」といった誤解を抱き、科学的根拠のない治療法を選択して不幸な結果になることもあります。それは避けなければなりません。また、金額の高いものだから良いものということは決してありません

 健康食品やサプリメントを選ぶ際には、信頼できるメーカーの製品を選び、用法・用量を守って摂取することが重要です(たくさん摂っても効果はありません)。持病がある方や妊娠中の方などは、医師や薬剤師に相談してから摂取するようにしましょう。健康のためには、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠など、よい生活習慣を心がけること大切です

 さらに、ヘルスリテラシーの説明も(以下のサイトから引用)。診療一般において、医療者と患者のさまざまなコミュニケーションが、医療行為や治療アウトカムに大きな影響を及ぼすことが注目されています。このコミュニケーションを左右する大きな要因の一つが、患者さんの「ヘルスリテラシー」、すなわち「情報を理解・活用できる力」です。

 通常の医療の現場でも、患者さんの「ヘルスリテラシー」が薬の飲み方やセルフケアに際して様々に影響しています。患者さんが、いろいろな医療情報や健康情報を手がかりとして決めていることには、それぞれの理由や背景があります。しかし、テレビや新聞、雑誌のニュース、インターネット上の情報の「うのみ」は少なくありませんし、時としてそれが明らかな誤解であったり、危うい情報に騙されていたりする場合もあります。多くの民間療法・代替医療科学的に十分に確立されていないため、通常の治療法以上に問題のある情報が氾濫し、患者さんが益よりも害を被るリスクがあります。

最近、これらの民間療法や代替療法を指して、予防医療と呼ぶ拡大解釈の傾向があります。それらの情報は疑ってかかるほうが安心でしょう。

厚生労働省eJIM https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/about/index.html「統合医療」とは?

*写真は以下のサイトから Por que a homeopatia funcio https://www.similia.com.br/por-que-a-homeopatia-funciona/na?

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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