コンドロイチンとグルコサミンは関節の軟骨の成分です。日本では、公的な見解は出されていませんので、米国国立衛生研究所(2023年10月最終改訂版)のサイトを引用しながら解説します。コンドロイチンは軟骨の成分で、軟骨の圧縮に対する抵抗性に役割を果たします。グルコサミンは、軟骨の構造の一部であるグリコサミノグリカンと呼ばれる分子の構成要素です。コンドロイチン(コンドロイチン硫酸)と、グルコサミン(グルコサミン硫酸塩またはグルコサミン塩酸塩)は、米国ではサプリとして単体または一緒に販売されています。日本や一部の国では、特定の製剤が医薬品として販売されています。
コンドロイチンとグルコサミンは、関節の衝撃を吸収する組織である軟骨の構成要素です。どちらも体内で自然に生成されます(つまり、外から補給する必要はない)が、サプリメントとしても利用できます。変形性関節症は、関節内の軟骨やその他の組織が壊れたり、構造が変化したりする変性関節疾患です。症状には、痛み、関節のこわばり、腫れ、移動の困難などがあります。
では、結論を
- コンドロイチンは変形性膝関節症または変形性股関節症の痛みに有効ではないことが研究結果から示されています。
- グルコサミンが変形性膝関節症の痛みに有効かどうか、また、グルコサミンとコンドロイチンの併用が他の関節の変形性関節症の痛みを軽減するかどうかは不明です。
- 日本では、コンドロイチン(製品名 コンドロイチンZS錠)が医薬品OTC(Over the counter、第3類医薬品)として売られており、「関節痛、腰痛、五十肩」等を効能・効果として承認されています。日常生活に支障をきたす程度ではない軽度の症状に用いることができ、薬剤師の指導のもとで購入できます。有効性と安全性が審査され、承認されているという点で、健康食品よりも信頼性が高いと考えられます。副作用のリスクは比較的低いと考えられています。
グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントの安全性について
これらのサプリメントは、抗凝固剤(血液希釈剤)薬であるワルファリンと相互作用を起こすおそれがあることがわかっていますが、上記のコンドロイチンZSにはその記載はありません。ほかの重大な副作用は示されていません。
米国専門家の推奨
コンドロイチンとグルコサミンとが変形性膝関節症や変形性股関節症に有用である可能性を否定しています。米国リウマチ学会は、変形性膝関節症または変形性股関節症の人に対するグルコサミンとコンドロイチンの使用を推奨していません。
私からの推奨
実際に関節に痛みのある方は、これらのサプリに頼るのではなく、なるべく早く整形外科医を受診しましょう。費用対効果(コスパ)を考えるとこれらのサプリは採算が合わないことがわかっています。
*以下のサイトを参考にしました https://www.nccih.nih.gov/health/glucosamine-and-chondroitin-for-osteoarthritis-what-you-need-to-know
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