GLP-1受容体作動薬による食欲低下 うつ症状に関連する?

本件に関してはまだ十分な解明はされていませんが、可能性を以下に示します。

1. 食欲低下による二次的なうつ

  • GLP-1受容体作動薬の主な作用の一つに食欲抑制がある。
  • 食事は楽しみや喜びと結びついており、食欲低下によってこれらの楽しみが奪われ、気分の落ち込みに繋がる。

2. セロトニンへの影響

  • セロトニンの分泌や働きに影響を与える。
  • セロトニンは気分、食欲、睡眠などに関わる神経伝達物質であり、不足するとうつ症状が起こる。

3. 直接的な脳への作用

  • 気分や情動に関わる脳領域に影響を与える可能性がある。

4. その他

  • 消化器系の副作用(吐き気、嘔吐、下痢など)がQOLを低下させ、気分の落ち込みに繋がる。
  • 体重減少に伴う身体の変化や、周囲からの反応が、精神的なストレスとなり、うつ症状を引き起こす。
  • うつ症状は、薬剤の作用だけでなく、患者の性格や生活環境、基礎疾患など、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。

確かに、食事が楽しみだった人からすれば、食欲の低下や食べられないことは、日々の生活にマイナスの影響を与える可能性はありますね。GLP-1受容体作動薬中止後のリバウンドとは、食欲が自由に解放され、楽しみが再開して食べ過ぎるのでしょうか?それを防ぐためにも、健康的な生活習慣を身に着けることを主とし、薬は副とすべきなのでしょう。

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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