美容医療への直美(チョクビ)が止まらないー厚労省が是正のための策を打ち出した

2024年12月4日、美容医療をはじめとする保険外診療(自由診療)へ医師流出が止まらない現状を是正するため、厚生労働省が対策を打ち出す。内科や外科など保険診療の対象となる一般的な診療に最低5年間を取り組まなければ、自前のクリニックを開いても保険診療を提供(保険診療を扱う病院や診療所の管理者となる)できないようにする。現状では、自由診療をメインに行っている医療機関であっても、皮膚の一般的トラブルなどに対しては、保険診療を行っていることが多い。保険診療は公定価格で3割負担の医療費(残りは共済組合や健康保険の負担)で行われているが、美容医療をはじめとする自由診療では医療機関が料金を自由に設定できる(クリニック側の言い値次第)ため収益を上げやすい。高額を要する保険外診療のみでは、患者にとっては不便であり、保険診療を扱えないクリニックは選ばれなくなる可能性が高い。つまり、直接に自由診療を制限するわけではないが、自由診療のみでの開業を間接的に抑制することで、「直美」の経験が浅く技術の未熟な医師がさらに増加することを防ぎたい意向だ。

さて、皆さんはどう考えますか?たくさんの問題を含んでいて、この方針が適切かどうか直ちに判断はできませんが、これから、美容クリニックに受診しようとされる方に役立つ目安を考えてみます。そのクリニックは、保険外診療(自由診療)以外にも、保険診療で一般的な医療を提供してきた(できる)かどうかを目安として選ぶのも一つの方法かもしれません(個人の意見です)。

*グラフは2024年12月4日の日本経済新聞から。

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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