【サロンの経営者・オーナー・マネージャーの方へ】医師免許を有しない者が行ったHIFU(高密度焦点式超音波)ー厚生労働省からの通知 厳しいです

 厚生労働省からの通知というのは法律に比べて強制力は劣りますが、実際には、都道府県に対して強い指導力を持っています。普通はわかりにくい文章で書かれていることが多いのですが、今回はとても明確で、わかりやすいので、あえて原文のまま記載してみます。( )や太字は当オフィスからの注釈です。

医政医発0607第1号 令和6年(2024年)6月7日 (通知名とその日時)

厚生労働省医政局(医師や医療に関する法律・政治を扱う部署)医事課長から各都道府県衛生主管部(局)長(へ) 

(タイトル)医師免許を有しない者が行った高密度焦点式超音波を用いた施術について

第1 HIFU(ハイフ)施術に対する医師法の適用

 用いる機器が医療用であるか否かを問わず、HIFUを人体に照射し、細胞に熱凝固(熱傷、急性白内障、神経障害等の合併症のみならず、HIFU施術が目的とする顔・体の引き締めやシワ改善等も含む。)を起こさせ得る行為は、医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すること。

第2 実施場所について

医師による本行為は、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の2第2項に規定する医療提供施設において行うこと。

第3 違反行為に対する指導等

 違反行為に関する情報に接した際には、実態を調査した上、行為の速やかな停止を勧告する等必要な指導を行うほか、指導を行っても改善がみられないなど、悪質な場合においては、刑事訴訟法第239条の規定に基づく告発を念頭に置きつつ、警察と適切な連携を図られたいこと。

 2023年3月には、消費者安全調査委員会による実態調査「エステサロン等でのHIFUによる事故」の調査報告書が発表され、同年8月にはエステ業界の主要団体である一般社団法人日本エステティック振興協議会が「ハイフ機器販売・施術の禁止及び、広告表記の禁止」について通知文を発信しました。2024年1月以降はホットペッパービューティー内においてハイフに関する広告表記が禁止となり、類似の文言も掲載停止となっていました。その頃までは、グレーな状態でしたが、2024年6月の上記通知により、HIFUのエステサロン(セルフも含めて)での実施は明らかな違法行為であり、指導に関わらず継続した場合には刑事告発の対象になりました(上記の文面からその違法性はがんじがらめに明記されており、逃げ場はないようです)。

 エステサロンと美容クリニックでは使用される機器が異なるとか、出力(パワー)が異なるなどの説明(言い訳)もあるようですがそれも事実でないことが消費者庁の調査で明らかになっています。

 これまで、ハイフを実施・提供していたサロンは、どのような形(顔でも体でも、腟でも、類似の機器も)でもアウトですから、直ちにその施術を止めましょう。年が明けてもやっていたらヤバいかも?

*本ブログは、サロン向けに記しましたが、お客様への注意喚起も同様です。お客様が刑事告発の対象になることはありませんが、そんな危険なサロンへ行くのはやめましょう。

*厚生労働省の通知 https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240610G0040.pdf

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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