最も悪い脂質トランス脂肪酸 脂質のまとめ

 トランス脂肪酸(トランス型脂肪酸)不飽和脂肪酸であり、1 つ以上の不飽和結合がトランス型である脂肪酸である(注:自然界に存在する脂肪酸のほとんどはシス型結合)。工業的(産業における食品の生産)に水素添加を行い、不飽和脂肪酸(液状油)を飽和脂肪酸(固形油)に変えるときに副産物として生じる。高温での調理が想定される。

日本人のトランス脂肪酸摂取量(欧米に比較して少ない摂取量)に関する疾病罹患のリスクはデータは乏しく明らかでない。しかし、トランス脂肪酸の一種であるエライジン酸の血中濃度が認知症発症との関連を認めている。欧米での研究では、トランス脂肪酸摂取量は、冠動脈疾患と用量依存性に正の関連(多く摂れば病気になる)が示されている。日本人の中にも欧米人のトランス脂肪酸摂取量に近い人もいる。トランス脂肪酸の人体における有用性(メリット)はない。

 トランス脂肪酸冠動脈疾患の明らかな危険因子であるが、欧米に比較して日本人でのデータは乏しく健康影響は未だ十分にわかっていない。ただし、摂取量を少なくすることが望まれる。WHO をはじめ、欧米諸国ではトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満に留めることを推奨している。日本人においてもできるだけ低く留めることが望ましい。

トランス脂肪酸は、その構造が自然界に存在する脂肪酸とは異なるため、体内でうまく代謝されません。つまり、トランス脂肪酸は体内で代謝されにくい、かつ、代謝速度が非常に遅い」のです。通常の脂肪酸に比べて体内に留まりやすいという特徴があります。そのため、結果的に体内に蓄積しやすく、様々な健康への悪影響を引き起こします。

日本では、トランス脂肪酸自体が意外に知られていないが、冠動脈疾患のリスク因子である。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の増加、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の減少により、 動脈硬化のリスクを高め、心臓病や脳卒中を引き起こしやすくなります。人体にとっては不要な栄養素で、健康の保持・増進を図る上で摂取は勧められない欧米では規制されている国が多く、ジャンクフードの多くはその対象になっている。フライドチキンやハンバーガーなどのファストフードショップのほとんどの製品が、トランス脂肪酸が多いと思われますが、日本ではデータがありませんし、規制もありません。細胞膜の機能障害により流動性や柔軟性を低下させ、細胞の働きを阻害する可能性があります。炎症反応を引き起こし、アレルギーや慢性疾患のリスクを高める可能性があります。インスリン抵抗性を増加させ 糖尿病のリスクを高める可能性があります。最近の研究では、さらに認知機能の低下やがんなどのリスクを高める可能性も示唆されています。

脂質摂取のまとめ

脂質摂取に関する目標は、不飽和脂肪酸(動物性および植物性由来)の過剰摂取による生活習慣病を予防することにある。不飽和脂肪酸高LDL-コレステロール血症の主な危険因子であり、循環器疾患(冠動脈疾患を含む)危険因子でもある。

コレステロールは、体内で合成されるので敢えて摂取量にこだわることはないが、脂質異常症及び循環器疾患予防の観点から過剰摂取にならないように注意する。

脂質は詳しく知って、良いお付き合いが大切ですね。

以上、脂質の摂り方について述べました。ご存じでしたか?これらを基に、日常の食生活をプランニングすることは、あなたの身体作りにとても有効です。

私たちは科学的根拠に基づいて、かつ、楽しい食生活を送るべく、ご提案ができます。個人カウンセリングまたはお問合せからぜひ。

表はトランス脂肪酸

市販の味付けポップコーンの素」は、植物油脂やバターを多く含み製造の過程で高温処理を受け、トランス脂肪酸が生じます。ポップコーンを食べるなら、紙袋にコーンを入れてノンオイルのままレンジでチンすれば、簡単にポップコーンを作ることができますよ。

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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