HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンのキャッチアップ期間を2026年3月まで1年間延長

厚労省は、子宮頸がんを予防するワクチンであるHPVワクチンについて、キャッチアップ接種(無料)の期間を2026年3月31日までと1年間延長しました。対象者は1997年度生まれから2007年度生まれの女子です。2024年度が定期接種の最終年度である2008度生まれの女子も対象となります。ただし、2025年3月31日までに、最低1回接種していることが条件で、計3回の接種です。

HPVワクチンの品不足が一部の医療機関で起きていて、無料での接種を完了できるか心配だった方もいらっしゃると思いますが、これであと1年間は余裕ができたことになります。ただし、HPVワクチンは若いうちに接種したほうが抗体価が高くなる(有効性が高い)ことがわかっていますので、いたずらに接種を遅らせることなく、早めの接種がおすすめです。

HPVワクチンの接種によって、子宮頸がんやその前がん病変を約90%予防する非常に有効性の高いワクチンです。約10年前に報道やSNSで騒動になった「副反応問題」は接種との因果関係はなく、根拠のないものだったことがわかっています。安心して接種を受けてください。

このHPVワクチンは、海外では男女ともに接種対象になっている国がたくさんあります。HPVワクチンの接種を受けた方は、子宮頸がん以外に男女の中咽頭(のど)がんや肛門がんも予防できます。

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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