フィラーも、レーザーも使い方と診断能力次第

前回の続きで、以下について書きます。

3.製剤(薬品)や機器の特徴の把握

4.複数の機器を使いこなし、適切な選択ができること

ヒアルロン酸やボツリヌストキシンといっても、たくさんの種類があります。メーカー(製薬会社)は複数ありますし、同じメーカーでも、多くの種類を出しており、それぞれの用途に従って使い分ける必要があります。また、メーカーが設けた資格(免許みたいなもの)を持っていなければ使用できない製剤もあります。講習やトレーニングを経て、資格を取得するのでそのほうが安全だという考え方もできます。

機器については単にレーザーといっても、使われるレーザー光(波長)の種類や発射時間の長短によって性能が全く異なりますし、使い方もいろいろです。機器の進歩によって、従来は効果がなかった病気に対しても効果が出てくるようになったり、薬剤との組み合わせの使用法が出来たりしています。シミといっても、多数の種類があり、正確な診断によってシミの種類を特定し、それに対して最も効果があって副作用が少ない機器を選択する必要があります。シミも複数のタイプが混じっていることもあります。診断が間違っていたり、機器の選択を間違えたりすると、効果がないばかりか、炎症後色素沈着というかシミ(正確には色素沈着)が新たに発生したり、増強したりすることがあります。炎症後色素沈着は時間とともに軽快することが多いのですが、時に残ってしまうことがあります。適切な診断が行えること、有効な機器を複数有していて、シミの状態や種類によって、使い分けられることが重要なポイントです。そういう意味では、たとえば、レーザー機器を一つしかもっていないにもかかわらず、何に対してもそれで治療をする医療機関があったら、非常に心もとないし予想外な結果を招く可能性があります。簡単に、信頼できる医療機関を見分けられるわけではありませんが、開業早々の医師が少ない機器しかもっていないのに、あれもこれも治せますというのは無理があるかもしれません。ご参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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