AMWCから 注入(Filler)治療ーヒアルロン酸について

ヒアルロン酸 イントロ

AMWCで扱われたテーマの中で多かったものは非外科的(非侵襲性)治療といわれるものでした。この中にはエネルギーデバイス(様々なレーザーやラジオ波等の機器)による治療と注入治療が含まれます。中でも、既に皆さんがよくご存じの注入治療は大変な人気です。今回は、代表的な注入治療であるヒアルロン酸(HA)についてのイントロを。

概要:ヒアルロン酸 (HA: Hyalorunic acid) は、優れた保水特性を持つグリコサミノグリカン(糖がたくさん結合した物質)で、水分補給や組織の修復において役目を果たしている。その半分は皮膚に存在している。化粧品のCM等に多く登場したこと、もともと生体内で作られていること、などから安全でアンチエイジングに効果があると信じられています。医薬品にも広く使用されており、関節痛や創傷治癒に効果的です。

生産方法:微生物発酵: 細菌(連鎖球菌など)を使用して大量に培養し、ヒアルロン酸を生産します。かつては鶏冠(鶏のトサカ)などから抽出されていましたが、現在は微生物発酵が主流です。

医薬品業界での応用: 眼科用: ドライアイ治療、美容医療:注入型皮膚充填剤(しわ・たるみの改善)、整形外科:変形性関節症(膝や肩痛)の関節潤滑剤として注射、創傷治癒: 被覆(傷を覆う)材料

ヒアルロン酸市場は今後も成長が予測されており、特に整形外科や美容手術への応用が増加しています。日本では、健康食品としてのヒアルロン酸が莫大な人気となっていますが、経口摂取での効果はビミョーな感じで、それほどの期待はできないのが本当のところです。

*図は、https://pharmaoffer.com/ja/blog/what-is-hyaluronic-acid/ から

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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