2025年1月25-26日、滋賀県大津市で開催された子宮内膜症の学会で特別講演を行う機会をいただきました。私は約20年、子宮内膜症の研究に取り組んできましたが、その集大成を報告する貴重な機会でした。タイトルは「子宮内膜症の成因に基づく創薬を目指して」。婦人科疾患である子宮内膜症は、従来、ホルモン依存性疾患といわれてきましたが、必ずしも女性ホルモンが多いとか少ないとかの違いによって発生するものではありません。最近では、子宮内膜症は慢性炎症性増殖性疾患といわれています。私の講演の主題は、生体における「炎症・線維化」の普遍性から俯瞰的に見た子宮内膜症の特徴に基づいた抗IL-8抗体によるサイトカイン治療戦略開発の話でした。炎症から生じた線維芽細胞の活性化、線維化が子宮内膜症の本態であるという病因機序から考察した新しい発想です。一方、このブログでも話題にしている美容医療における線維芽細胞の制御、コラーゲンの増加というところに繋がる興味深いテーマです。
美容医療のテーマの一つである「老化」を線維芽細胞を介してコントロールしようとする試みは非常に興味のあるものですが、長年にわたる私の子宮内膜症研究と結びつきました。美容医療の線維芽細胞のコントロールは、子宮内膜症以上に生体内の普遍的機能関連テーマです。今後、研究者としての新たな研究テーマとして取り組むつもりです。
子宮内膜症は、月経痛、疼痛、不妊、癌化を主な症状とする女性にとって重要な疾患です。それにもかかわらず、有効な治療法が少なく、病院・クリニックを受診しても、すっきりと解決できない課題が残る難しい疾患です。悩んでいる方には、しっかしと課題解決に協力できる当オフィスが対応いたします。ぜひ、ご相談ください。