第46回日本エンドメトリオーシス学会(会長 滋賀医大 村上節教授) 子宮内膜症の国内最大学会に参加 特別講演を行いました

2025年1月25-26日、滋賀県大津市で開催された子宮内膜症の学会で特別講演を行う機会をいただきました。私は約20年、子宮内膜症の研究に取り組んできましたが、その集大成を報告する貴重な機会でした。タイトルは「子宮内膜症の成因に基づく創薬を目指して」。婦人科疾患である子宮内膜症は、従来、ホルモン依存性疾患といわれてきましたが、必ずしも女性ホルモンが多いとか少ないとかの違いによって発生するものではありません。最近では、子宮内膜症は慢性炎症性増殖性疾患といわれています。私の講演の主題は、生体における「炎症・線維化」の普遍性から俯瞰的に見た子宮内膜症の特徴に基づいた抗IL-8抗体によるサイトカイン治療戦略開発の話でした。炎症から生じた線維芽細胞の活性化線維化が子宮内膜症の本態であるという病因機序から考察した新しい発想です。一方、このブログでも話題にしている美容医療における線維芽細胞の制御コラーゲンの増加というところに繋がる興味深いテーマです。

美容医療のテーマの一つである「老化」を線維芽細胞を介してコントロールしようとする試みは非常に興味のあるものですが、長年にわたる私の子宮内膜症研究と結びつきました。美容医療の線維芽細胞のコントロールは、子宮内膜症以上に生体内の普遍的機能関連テーマです。今後、研究者としての新たな研究テーマとして取り組むつもりです。

子宮内膜症は、月経痛、疼痛、不妊、癌化を主な症状とする女性にとって重要な疾患です。それにもかかわらず、有効な治療法が少なく、病院・クリニックを受診しても、すっきりと解決できない課題が残る難しい疾患です。悩んでいる方には、しっかしと課題解決に協力できる当オフィスが対応いたします。ぜひ、ご相談ください。

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員

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