海外旅行のトラブル対処法 40か国の渡航経験から言えること 慌てずに旅を楽しむ ロストバゲージ クレジットカード 飛行機

海外旅行で遭遇するトラブル

海外旅行で遭遇するトラブルへの対応策をまとめます。原則は国内にいても同じです。例えば、現金もクレジットカードも無しに旅行や日常生活を送ることはできませんが、国内にいると誰かが守ってくれるような錯覚を持ちがちです。海外では頼りになる「誰か」はいませんので、最低限のことは自分でしましょう。それが無理なら海外旅行は止めた方がいいでしょう。

ロストバゲージ

スーツケースなどの大きな荷物は、搭乗前に手荷物カウンターで手続きをして預けますが、その荷物が届かないトラブルが、ロストバゲージ(バックが無くなる)です。

通常であれば、預けた荷物は搭乗便に積み込まれ、到着地の空港でターンテーブルのベルトコンベアに乗せて運び出されます。そこから自分の荷物を探して受け取りますが、時に自分の荷物が見つからないことがあるのです。原因には、積載ミス、ほかの人が誤って持ち去ったなどがあります。ロストバゲージに気づいたら、空港内のターンテーブル近くに必ずあるBaggage claimカウンターで事情を説明しましょう。ただし、必ずしも日本語は通じません。英語か現地語での話し合いになります。でも、落ち着いてください。このカウンターはBaggageつまり、荷物がなくなった人しか来ませんので、荷物を預けた際に受け取った控えのタグ(紙)を示して、No baggageとかI cannot find my baggageというだけで、通じます。現在では、荷物は完全に電子的に追跡されていますから、よほど田舎の小さい空港でPCが使えないようなところであれば無理かもしれませんが、普通の空港ではあっという間にあなたの荷物がどこにあるかわかります。ただし、すぐ届くかどうかはわかりません。担当者に自分の連絡先を伝えて、届いた時に知らせてもらうことになります。誤配先の空港から届くために1-3日後にあることもあります。

この会話の時に大切なのは、物調面で「どうしてくれんだよー」みたいな不安や怒りに満ちた態度ではなく、淡々とビジネスライクに接すること、そして、担当者にはきちんとお礼を言い、挨拶をすることです。もちろん片言の英語でも構いませんが、最低の挨拶とお礼くらいはきちんとしましょう。相手は人間です。情が通じれば、多少は親切度合いが違うかも。

ちなみに、ターンテーブルから出てきた荷物が破損していたり、車輪が取れていた場合も、Baggage claimカウンターまたは航空会社のカウンターに行って事情を話しましょう。応急処置と保証の手続きをしてくれます。当然、当日に使えるようにはなりませんが、後日、航空会社または保険会社やクレジットカード会社などが状況に応じて保証してくれることがほとんどです。破損を発見した時は、係員に伝えることと、写真を撮っておきましょう。私はRimowaのバッグの車輪を2度ほど、無償修理で直したいただいた経験があります。

クレジットカードの盗難・紛失

国内でも海外旅行先でも支払い方法には主に現金とクレジットカードがありますね。国内で使われている〇〇Payは使えないことが多いので要注意です。クレジットカードの盗難や紛失も、気をつけたいトラブルの一つです。現金の盗難・紛失ももちろん困るのですが、クレジットカードは第三者の手に渡ると悪用される恐れがあります。盗難・紛失の可能性に気づいたら、すぐにクレジットカード会社に直接電話して、カード利用停止の手続きを取りましょう。ただし、ここで問題になるのはカードが手元にないので、カードの連絡先が分からないことです。そのためには、最低でも、クレジットカードの正式名称、できれば、紛失時の連絡先電話番号を控えておくことで安心できます。今は、クレジットカードの正式名称さえスマホで検索出来れば、連絡先電話番号は簡単に分かります。もちろん、日本語で担当者に状況を説明してください。ただし、国際電話になりますから、その掛け方や長時間の通話のためのスマホのバッテリー確保などは準備しておいてください。

その後は、クレジットカード会社からの指示に従いますが、現地の警察に届け出る必要もあります。今は、スマホの翻訳機能を使えば通訳がいなくても、何とかなりますが、少しでも英語が出来たほうが便利です。なお、ガイドブックに書いてあるようなカタカナでの現地語会話はほぼ通じませんのでやめたほうが良いです。

パスポートの紛失・盗難

パスポートは日本政府が発行する公文書で、海外に渡航する日本人の国籍、身分を証明するものです。パスポートがなければ、絶対に出入国はできません。コピーを準備しておいて、現地の日本大使館・領事館などで再発行の手続きをすることになりますが、決して短時間で簡単に済むことではありません。海外旅行の際には、常にパスポートと財布の所持を確認して行動してください。繰り返しますが、パスポートが無ければ出入国はもちろん、多くの行動が制限されます。

飛行機の欠航・遅延

海外旅行のトラブルには、悪天候や空港、航空会社事情により、飛行機が欠航になったり遅延したりというケースがあります。頻回に旅行をしていれば必ずある程度は遭遇するトラブルです。代替便の確保や旅行日程の変更をしなければなりません。この場合は、予定通りの旅程を諦めることが第一です。おちついて、空港カウンターで担当者と話をすることになりますが、先方はプロですから任せるしかありません。ただし、英語は通じますし、時には日本語も通じることがあります。E-ticketを見せて、JapanやTokyoと言えば、代わりを手配してくれます。ただし、元々購入していたチケットの種類によっては、有料での手配になることがあります。当日に出発できずに現地に宿泊しなければならないとなると、宿の手配も必要ですが、そこも担当者に尋ねるのが適切です。海外旅行保険のなかには、飛行機が遅延した際の費用を担保する特約が付帯しているものもありますが、後日の清算になりますので、当日は慌てずに担当者と話しましょう。ただし、長蛇の列になり長い待ち時間になることは覚悟しましょう。ビジネスクラスやファーストクラスのチケットを持っている場合には、優遇されることもありますので、空港職員にチケットを示して尋ねたほうが良いです。

公共交通機関のトラブル

公共交通機関も、日本とは勝手が違いますが、当然、みんなが同様に被害を被っているので、仕方がありません。状況を見て柔軟に対応しましょう。国内にいても同じことです。

終わりに

海外旅行だからといって、必ずしも、国内と特別に異なる状況ではありません。ただし、最低の英語は出来たほうが便利です。最近は、スマホの自動翻訳も頼りになりますが、問題はその通訳の内容が正しいかどうか判断できないことです。あなたがその言語が判らない場合は翻訳された内容を知る方法がないからです。

旅行は人生の縮図です。何が起こるか予想は出来ません。トラブルも思い出の一つとして楽しむ余裕が大切です。

私たちは豊富な経験をもとに、海外旅行に関するコンサルティングも致します。ぜひ、ご相談を。海外での医療についてもどうぞ。

どこかへ出かける前に、ちょっとご相談いただければ、ガイドブックやインターネットに書かれていない耳よりの情報やおススメグルメ、ホテルなどお伝え出来ます。ぜひ、お試しを。

*写真は、滅多に合えないボツワナの野生のヒョウ(レオパード)。

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この記事を書いた人

代表紹介 今野良 
医師 (自治医科大学卒業)
医学博士 (東北大学)
Prof. Ryo Konno, MD, PhD
臨床医・研究者としてのキャリアと実績

所属・学会・研究員
自治医科大学総合医学第2講座(産婦人科)教授
日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本医学旅行学会
Asia-Oceania Research Organization in Genital Infection and Neoplasia (AOGIN アジアオセアニア生殖器感染および腫瘍研究機構、日本代表理事、2017年東京大会会長)
Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容・アンチエイジング医学会)
Wold Endometriosis Society (世界子宮内膜症学会)
NPO子宮頸がんを考える市民の会(理事長)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班員
独立行政法人医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター(UNIBIOHN)客員研究員
岩手県奥州市地域医療モデル・メディカルアドバイザー

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